ybonchi’s blog

自分用にアウトプットしたい出来事をだらだら書いていきます。

アウトロー採用(ダイアログリクルーティング)の一通りのプログラムを完走した感想

特定されたくないので情報はぼかすが、数年前にアウトロー採用に参加し、一通りのプログラムを完走した者です。3月のこの時期になるとアウトロー採用について調べる人が多いと思う。その人たちの助けになればと思い記事作成したので、時間があれば読んでください。

※ただしかなり私の主観的な意見が含まれます。

 

まずアウトロー採用の一通りのプログラムを完走した感想だが、

 

アウトロー採用で就職できる人は普通の就活でも就職できる、逆に言えば、普通の就活で就職できないような人は、アウトロー採用で就職できる確率は限りなく低い。

 

いきなりえぐいことをぶっこんで申し訳ないが、これが結論である。

 

これに関しては、説明しているブログや動画がたくさんあり、わざわざ同じような内容をまた発信するのもなあと思ったので、一番短い時間で理解できると思った動画を載せておく。

 

 

大まかな内容はこの人が説明している通り。ただいくつか補足した方がいいと思った情報があるので補足しておく。

 
・最初に開かれる説明会で、運営の納富さんから「このプログラムに参加した人のうち、(アウトロー採用の企業に)就職が決まる人は約1割。9割の人は決まらない。」と言われる。これを聞いた時点で、本当に参加するべきなのか迷いや疑問が生じた人は、参加をやめた方がいいと思う。自分は当時ロクに就活の準備も理解もできてない状態で参加していたので、「まあ参加して何か得るものがあればいいや」ぐらいにしか思わなかった。
 
・同じく最初に開かれる説明会で、納富さんから「普通にリクナビとかで就活した方が楽。このプログラムはわざわざめんどくさい方法で仕事を探すことになる」と言われる。上記の通り自分は当時ロクに就活の準備も理解もできてない状態で参加していたので、この言葉の意味が理解できていなかった。そしてこれがアウトロー採用における大きな問題点だと感じた。詳しくは後の章で述べる。
 
・「ESなし」の謳い文句は誇大広告まずはこの画像を見てほしい。
はっきり書いてあるねえ。ESなしって。でもそれは実際は違います。実際は合宿中に、アウトロー履歴書」なるものの存在が明かされる。どういうものなのかというと、自分を表現するプロフィールのようなもので、形式は完全に自由。パワーポイントで自己紹介のようなものを作成してもいいし、なんかの広告をパロディして自己紹介する作品を作ってもいいし、絵が得意なら絵を描いてもいいし、webデザインが得意なら自分が作成したページを提出してもいい。たしか2週間くらいの期限が設けられてたかな。それを過ぎると受け付けてもらえない。ただし、提出するかしないかは自由。それでこのアウトロー履歴書は、参加企業の方も見ます。
え?それって実質エントリーシートでは??
だって考えてみてくださいよ。もし提出してなかったら、企業の担当の方はどう思うでしょうか。自己開示できるような中身が無い人なのかなとか、提出期限を守れない人なのかなとか、アウトロー採用という一般よりは寛容な枠の中でも協調性を発揮できない人なのかなとか、思われかねないと思う。企業の担当の方とアポを取って、説明を聞きに行くと大抵アウトロー履歴書の話をされた。もし提出していなかったら、「何で提出してないの?」と聞かれると思う。少なくとも、アウトロー履歴書を提出しないことがプラスに働くとは考えられない。(あ、でもアウトロー履歴書提出してないけど、コミュ力お化けのスーパーマンみたいな人がいて、その人は普通に内定もらってたっけ。)出せるなら出した方がいい。参加者のほとんどの人がそう考えたのか、自分の時は約6割の参加者が提出していた。もちろん自分も提出した。それって実質のエントリーシートじゃん!オープンESみたいなもんやん。
あと、自分が選考に参加した企業の中にエントリーシートの提出を求めてくる企業があった。形式は自由ですがこちらをお使いいただいても大丈夫ですとエントリーシートのファイルがメールで送られてきた。うーん、それってアウトロー採用に参加する必要あるのかな、本当にアウトロー採用に参加してる人を理解する気あるのかなあ、と疑問に思ってしまった自分は、結局その企業へのエントリーシートは提出しなかった。
まとめると、
提出するかしないかは自由だけど多くの参加者が提出し、企業の方が見るアウトロー履歴書がある
参加企業の中にもエントリーシートを要求してくる企業がある
 
 
  • アウトロー採用の問題点。参加者のメイン層と企業が求める人材とのギャップ。

アウトロー採用の説明会のページに辿り着く人の大半は、コミュニケーション能力が低い、自己開示が苦手、自分の将来のビジョンが無い、ワークライフバランス的にきつい仕事じゃなければなんでもいいという考えで仕事を探している、という特徴のうちのどれかを持った人だと思う。参加者の8割以上の人がこれに当てはまると感じた。(もちろん自分もこれに当てはまる。)実際に会ってディスカッションしてみると、明らかにレベルの高い人との差が如実に表れるんだよね。レベルの高いほんの一握りの人か、それ以外かという感じ。アウトロー採用の説明会のページでは、さもこのような特徴を持つ人たちでもいい企業に就職できちゃうよと捉えられても仕方ないような謳い文句が並んでいる。

 

 

 

自分の将来のビジョンが無くても、就職できちゃうよ。みたいに捉えられないですか?上記に挙げた特徴を持つ人たちは、これらの謳い文句を見たらとりあえず参加したくなるだろうね。

しかし、この「8割」側の人たちは、アウトロー採用で内定を得ることはかなり難しいだろう。だって、コミュニケーション能力が低い、自己開示が苦手、自分の将来のビジョンが無い、ワークライフバランス的にきつい仕事じゃなければなんでもいいという考えで仕事を探している、そんな人を採用したい企業がありますか?

納富さんが言っていた「普通にリクナビとかで就活した方が楽。」とは、つまりこういうこと。レールの敷かれた形式の中で自分を表現する「普通の就活」は、コミュニケーション能力の低さを、自己開示の苦手さを、自分の将来のビジョンの無さを、形式的に範囲の絞られた質問の答えを用意することでごまかすことができるんだ。自分のダメな部分を、ガイドラインに沿った答えを用意することで誤魔化すことができるから、普通の就活は楽なんだと納富さんは言っていたのだと思う。そして当時の自分はロクに就活の準備も理解もできてない状態で参加していたので、こんな当たり前の事も理解できておらず、「とりあえず何個か面接受ければ1個ぐらい引っかかるっしょ」と浅はかな考えしか持っていなかった。当然アウトロー採用を通じて選考を受けた企業は全て不採用となった。

「8割」側の人間には必要なんだ。白々しい志望動機が、見せかけの自己PRが、エントリーシートが。

 

そして、コミュニケーション能力が高く、自己開示が得意で、自分の将来のビジョンが明確で、型にはまった就活では自分の良さを最大限発揮できない人」こそがアウトロー採用に参加する企業が求めている人材であり、内定を獲得していく。(あとは人間として何か大きな欠点があっても採用したいと思えるほど卓越したスキルがある人とかもね。)

かなり厳しい世界ですね。それだけレベルの高い人ならば、普通に就活しても内定がもらえると思うし、なんならアウトロー採用なんてめんどくさい手段を使わなくても、より良い納得できる企業を自分で見つけられると思うんだよね。納富さんが言っていた「このプログラムに参加した人のうち、(アウトロー採用の企業に)就職が決まる人は約1割。9割の人は決まらない。」とはこういうことでした。参加者のメイン層と、参加企業が求める人材が大きく乖離している。「普通の就活」を必死に頑張らないと、職にありつけないような人たちが、「普通の就活」をしない。そりゃ内定もらえないよ。これがアウトロー採用の一番大きな問題点だと思う。

 

 

  • アウトロー採用の良い所・参加して良かったと思ったこと

さて、これまで散々批判的な意見を述べたが、​​​​​​​私自身はアウトロー採用に参加して良かったと思っている。良い所を挙げていこうと思う。

 

・​​​​企業の人たちと、OB訪問や会社説明会のような堅苦しい形ではなく、カジュアルに私服でリラックスした雰囲気で話すことができる。(ただし最低限のマナーや礼儀は必要、友達同士のような言動をしていいわけではない)
就活をしていると、スーツを着て説明会や社員との座談会に参加して、担当者と目を合わせながら、背筋を伸ばし、頷きながらメモを取るだけで、どっと疲れる。ワークショップなどでは企業の方と私服でカジュアルな雰囲気で話すことができるので、堅苦しいことに神経を使って疲れずに済むのが良かった。

 

・就活出遅れ組・レールから外れ組の友達ができる

就活の準備を何もせず、就活が解禁されてからやっと周りの就活性が解禁前に済ませていたレベルの事に取り組みだすような私のような人間は、大学のちゃんと就活をした周りの友達と顔を合わせづらくなる。内定をどこどこにもらったとか、第一志望の企業が今度最終面接だとか、そんな話についていけなくなり、自然と距離を置くことになる。それに比べてアウトロー採用の参加者は、自分と同じく就活から出遅れていたり、放浪期間があったり、留年をしていたり、大体何かしらワケありの人間だ。大学の友達と顔を合わせづらい分、アウトロー採用で知り合った人たちと話す方が気が楽になる。企業セッションでは、参加者同士で固定のグループを作るのだが、ここで同じグループだった人とは今でも会って遊ぶし、ライングループもまだ動いている。大学の友達とは顔を合わせにくくなっていた自分にとって、就活の進捗を共有できる友達ができたのは大きかった。ちなみに私のグループでアウトローの企業に内定もらった人は0だった。リクナビや大学に来た求人で内定をもらうか、あとはフリーターか無職になった。

 

・通常の就活よりは留年や放浪期間に寛容な企業が多い

基本的にどんな経歴だろうと面接は受けさせてくれる企業が多いと感じた。留年や放浪期間を理由に書類で弾かれる企業よりは、チャンスがあると思う。ただし、その期間で何を経験したのか、その経験から何を学んだのか、その学んだことを仕事にどう活かすことができるか、をちゃんと説明できないと面接で落とされると思うよ。

 

・「採用する気のない面接」が無い。採用に前向きな企業が多い。

大体の企業は遅くとも6月末くらいまでには内々定を出し、その年度の採用計画の人数を満たした場合、基本的にそれ以降に選考を受けに来た人に内定を出すことは無い。(ただしリクナビとかで6月以降も説明会を積極的に開催していたり、残り採用予定人数〇人とか出してるところは、普通に採用する気がある)しかし、その年度の採用計画の人数を満たしていても、エージェントや大学に求人を掲載し続ける企業も存在する。なぜ採用する気がないのに求人を出してるのかというと、とびきり優秀な人材だったり、めちゃくちゃかわいい女の子が応募してきた場合だったら採用したいと思っているからだ。ではそうしたよっぽどのことが無い限り採用する気のない求人に、6月でも内々定が無いようなダメ就活生が応募するとどうなるのか。自分が体験したケースだと、

・面談にて、担当者が履歴書を読んでいない、目を通そうともしない。君にはうちは無理だと思うと言われる。

・面接にて、「他の企業の選考は受けているの?」と聞かれたので、「受けていますが御社が第一志望です」と答えたら、「もっとたくさん他の企業受けた方がいいよ(笑)」と言われる。

・会議室で待たされ、予定時間より10分近く遅刻して担当者が来る。自分の名前も名乗らず、「さっさと履歴書見してもらえますか」と言われ、担当者がメモを取るとき自分が提出した履歴書にコピーも取らず直接書き込まれる。

などなど、散々な目にあってきた。就活の仕組みを理解してなかった自分の責任だけどね。これらは全て、ハナから「採用する気のない面接」だった。

それに対して、アウトロー採用の企業は、採用に前向きであると思う。採用に前向きじゃなかったら、わざわざめんどくさい企業セッションに参加しないよね。自分が体験したような、「採用する気のない面接」を受けさせられることは無いと思う。実際アウトローの企業の面接で上記のようなことは全くされなかった。正直これだけでも参加する価値はある。

 

 

  • まとめ

アウトロー採用は、

 

・就活に出遅れてしまい大学の友達とも会うのが気まずくなってしまったが、就活の進捗を共有したり、遊んだりできる友達が欲しい人

・経歴に傷があり、なかなか書類選考が通らないが、本当は話せる経験を持っている人

・採用する気のない面接を受けたくない人

 

にはおすすめだ。参加する価値はあると思う。

 

しかし、参加企業が求める人材と参加者のメイン層には大きなギャップがあり、ほとんどの参加者はこのプログラムを通して内定を獲得することは出来ない、という大きな問題がある。この記事の冒頭でも述べたが、大事なことなのでもう一度言う。

アウトロー採用で就職できる人は普通の就活でも就職できる、逆に言えば、普通の就活で就職できないような人は、アウトロー採用で就職できる確率は限りなく低い。

これが結論である。

これを踏まえてでも、参加してみたいという人は是非。

 

私は結局アウトロー採用で内定を得ることは出来なかった。しかし、企業セッションを通じてできた友達と、就活の進捗を共有し合うことで、就活に前向きになれた。そして大学のキャリアセンターに通い、アドバイスを受けながら自分を見つめなおし、リクナビから申し込んだ企業に内定をもらうことができた。私はアウトロー採用に参加して良かったと思っている。